ライターの正しい捨て方。使い切れないで中身ありの場合の正しい処分方法も解説

ライターは、正しく処理して捨てなければ、火災事故につながる可能性があります。正しい処分方法が分からず、使用済みのライターが溜まり困っていませんか?

今回は、使用済みライターを処分する方法や、使いきれていないライターの処理方法を分かりやすく解説します。

実際にライターを処分する際には、必ず各自治体のルールを確認して正しく廃棄しましょう。

【要注意】ライターのガスが残っていると火災のリスクあり

ごみ収集車が火災事故になった、というニュースを見たことはありませんか?実は、こうした事故は、使い捨てライターが正しく処理されていないことで起こる可能性があります。

ライターのガスが残ったまま廃棄されると、ごみ収集車の中でガスが充満し、火災につながることもあるのです。ライターは、必ずガスを抜いてから捨てましょう。

出典:仙台市 [注意]ごみ収集車の火災事故防止にご協力ください

ライターの捨て方の基本の3点

ライターを捨てる時に知っておきたい基本は以下の3点です。

・必ず中身を使い切りガス抜きする
・念のため水に浸す
・ゴミ出しは自治体のルールに従う

どの自治体でも、ライターは必ずガス抜きをするのが基本です。また、ガスが抜けきっていない可能性があることを考慮して、水に浸すとより安心でしょう。

自治体により、ライターは可燃ごみとして処分できる場合と、不燃ごみやその他に該当する場合とがあるため、必ずご自身の自治体のホームページ等をご確認ください。

出典:我孫子市 発火の恐れがある可燃性のごみの出し方 / 姫路市 危険なごみ等適正処理困難物の処理方法

使い捨てライターが使い切れない場合の捨て方

使い捨てライターを最後まで使いきれず、それ以降は使う予定がない場合、処分に困ってしまうかもしれません。そのような場合の処分の方法について解説します。

まずはライターの液体ガス抜きをする

まずは、ライターのガス抜きをしましょう。

ステップ1 火の気のない風通しの良い屋外へ移動する
ライターのガス抜きは、周囲に火の気のない安全な場所で行う必要があります。特に、ガスコンロ等のそばでは行わないようにしましょう。

ステップ2 輪ゴムやガムテープを用意する
輪ゴムやガムテープがあると、ガス抜き作業が楽になります。どちらか一方で構いませんので用意しましょう。

ステップ3 点火レバーを押したまま火を吹き消す
液体ガスが残った状態のライターは、点火レバーを押すと火がつくでしょう。点火レバーは押したまま、火を吹き消しましょう。

ステップ4 液体ガスがなくなるまで点火レバーを押し続ける
点火レバーを押し続けている間、ガスが残っていると「シュー」という音がします。そのまま、液体ガスがなくなるまで抜ききりましょう。指で点火レバーを押し続けるのも良いですが、輪ゴムやガムテープで固定してしまうと楽に行えます。

ステップ5 念のため着火操作をして確認する
万が一のことを考えて、もう一度着火操作をして火がつかないことを確認しましょう。

【補足】壊れて火がつかない場合のライターの中身の液体の捨て方

点火レバーが壊れていて、先にご紹介した方法で液体ガスが抜けない場合についての対処法も押さえておきましょう。
メーカーがガス抜きの方法を紹介していることもあるので、念のため調べてみてください。

ステップ1 火の気のない風通しの良い屋外に移動する

ステップ2 濡れタオルとトンカチを用意する
タオルは十分に濡らしてライターをくるみます。

ステップ3 トンカチで叩き割る
怪我をしないように注意し、タオルの上からライターを叩き割ります。このとき、そのままライターをトンカチ等で叩き割ると摩擦で引火する恐れがあり危険です。必ずステップ2の、十分に濡らしたタオルにライターをくるみましょう。また、このステップが不安な方は、無理に自分でガスを抜かずに、不用品回収業者に依頼して回収してもらうことや必要な方に譲るなどを検討しましょう。

ステップ4 液体ガスをタオルに染み込ませる
割れたライターから漏れ出る液体ガスを、タオルに染み込ませます。

ステップ5 自治体の定める方法に従って捨てる
液体ガスを染み込ませた濡れタオルは、「燃えるごみ」として捨てるのが一般的です。ガス抜き後のライターは、「燃えるごみ」に該当しないケースも多いため、分別について各自治体のルールを確認しましょう。

出典:相馬市 使い捨てライターなどはガス抜きをしてから捨てましょう / 瑞穂市 使い捨てライターの処分について

ガスを抜き切るため水につける(水にひたす、水に濡らす)

ライターをごみとして出す際は着火部を水で濡らしたり、浸したりすることがルールになっている自治体もあります。まずはガス抜きをして、使い捨て容器などに水を入れてライターを浸してから処分するとより安心です。

出典:市川市 ライターのゴミ出し方のポイント

やってはいけないライターの捨て方

ライターの基本的な捨て方を理解したあとは、危険な処分方法について触れていきます。ついやってしまいがちな誤った方法をとらないように、注意しましょう。

一度にライターを大量に処分する

日頃からライターを使う機会が多い場合、あっという間に使用済みのライターが溜まってしまう可能性があります。大量のライターのガス抜きを一気に行うのはなかなか大変です。

できれば、ライターは溜め込まずに定期的に処分していくのが望ましいでしょう。もし、大量にライターを処分したい場合は、不用品回収業者に依頼すると、一括回収にも応じてくれます。ガス抜き作業が大変で困っている方に便利です。

ライター中のガスや液体が入ったまま分解すると危険

ガス抜きをしないままペンチなどでライターを分解すると、摩擦によって引火してしまう可能性があります。ライターは、正しくガス抜きできていれば分解する必要なく処分できるため、わざわざ分解せず安全な方法でゴミに出しましょう。

ガス抜きされていないライターを燃えるゴミに捨ててしまったら

まだ収集されていない場合は、速やかに回収し、適切な方法でガスを抜いてから再度廃棄してください。​ガスが抜けていないライターを燃えるゴミとして出すことは、非常に危険です。​ごみ収集車内での火災事故は年間数千件発生しており、作業員や周囲の人々に危険を及ぼす可能性があります。

ガス抜きが完了したライターの処分方法は、各自治体によって異なります。​中身が空のプラスチック製使い捨てライターを「燃えるゴミ」として出すよう指示している自治体もあります。​一方で、「不燃ゴミ」や「危険物」として分類する自治体も存在します。​そのため、必ずお住まいの地域のゴミ分別ルールを確認してください。

出典:スプレー缶、ライターなどの一般廃棄物への混入に起因する収集・処理・処分時等において多発する火災・爆発等事故に関する質問主意書:質問本文:参議院
出典:パッカー車(ごみ収集車)の火災事故が多発 - 高槻市ホームページ
出典:使い捨てライターを処分したいのですが、どのようにすればよいですか?/阪南市

ライターの種類によっての捨て方の違いとガスの抜き方

ここまでは、一般的な使い捨てライターのガス抜き方法や処分方法をご紹介しました。その他のライターとではどのような違いがあるのか見ていきましょう。

ガス注入式ライター

ライターの底部にある注入口からガスを入れることで、繰り返し使うことができます。

処分したい時は、ガス注入口を細いドライバー等で押し続け、「シュー」という音が聞こえなくなるまで待ちます。使い捨てライターのように、点火レバーを固定するような手だてがないため、やや労力がかかるでしょう。ガスが抜けたかどうか、念のため着火操作をして確認し、その後は使い捨てライターと同じように処分します。

出典:一般社団法人日本喫煙具協会 注入式ガスライターのガスの抜き方

ジッポー式ライター

オイルを注入し、フリント(石)や芯の交換などを定期的に行うことで、繰り返し使うことができるライターです。

ガスライターと異なり、オイルライターのオイルの抜き方について省庁や地方自治体から公的な解説は確認できません。もしオイルライターの処分を検討されている方は、各自治体に問い合わせるか、回収業者に処分を依頼すると良いでしょう

ただ、ジッポー式ライターは物によっては高値で取引されることもあり、愛用者もたくさんいます。処分する前に、誰かに譲るなどの方法も検討してみてはいかがでしょうか。

出典:ZIPPO JAPAN ジッポーライターとは?

使い切れない中身ありのライターの保管方法

ライターの中身がまだ残っている場合、あまり使う予定がなくても処分するのは勿体ないと考える方もいるでしょう。

しかし、ライターを保管する際は、十分な注意が必要です。まず、ライターに充填されているのは、可燃性の高圧ガスです。直射日光のあたるような、周囲の温度が上昇する場所では自然発火する可能性があります。特に窓際や車内などに放置しないようにしましょう。

また、火の怖さを知らない小さな子どもが家にいる場合は、子どもがライターで遊んで火傷を負ったり、家事になったりする危険性もあります。自然発火や子どもの操作で取り返しのつかない事態を招かないように、安全が確保できる場所にしまいましょう。

出典:国民生活センター ライター 使用後の残り火や保管場所に注意

(本記事は2024年10月時点の情報に基づき記載をしております)
(2025年4月17日更新)

<おすすめの関連記事①>
使い捨てライターは何ゴミに出す?燃えないゴミ、有害ゴミ、小物金属など分類に注意

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