煙管の持ち方とは?煙管の構造から、身分によって違う持ち方を解説!

日本の伝統的な喫煙具である煙管。江戸時代や明治時代での喫煙は、この煙管が中心となっていました。
現代では、時代劇や歌舞伎などで登場しており、持ち方や構造に興味を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、この記事では煙管の構造や、実は身分によって異なる持ち方があることについても解説します。
煙管とは

煙管とは、刻みたばこを詰めて使用する日本独自の喫煙器具です。煙管に使用するたばこ葉は、髪の毛のように細かく刻まれており、丸めて火皿に入れて使用します。紙巻たばこに比べて一回で喫煙する時間は短く、3服程度で終了することが特徴です。
煙管はもともと、ヨーロッパのパイプや東南アジアの喫煙具を真似して作られたものと考えられています。そのため、伝来した当初である16世紀半ばには持ち手部分が長く、火皿が大きいという特徴がありました。
江戸時代中〜後期になってくると、人々は外出先でもたばこを嗜むようになり、煙管も持ち運びしやすいサイズへと姿を変えます。さらに、煙管は持ち主のファッションの一部にもなり、細かな文様や動物が描かれるなど様々なデザインが施されるようになりました。
紙巻たばこが普及し始めてくると、刻みたばこを使用する煙管は衰退しはじめましたが、現代では、その歴史や細工の美しさも相まって、再び人々の関心を集めているそうです。
煙管の構造

煙管はおもに以下の3つのパーツからできています。
・雁首(がんくび)
・羅宇(らう)
・吸い口
雁首は煙管の頭部に当たる部分で、先端に火皿がついており、刻みたばこを詰めて火をつけて使用します。伝来した16世紀半ばはサイズが大きく湾曲した雁首が特徴でした。
次に煙管の胴体である、煙が通る部分は羅宇と呼ばれ、羅宇の素材によって煙管の名称が異なります。煙管の名称は竹や木を使用して作られる「羅宇煙管」と、羅宇まですべてを金属で作る「延べ煙管」のふたつに分かれます。
煙管は江戸時代中〜後期からファッション性の高いアイテムとなり、複雑な装飾が施されるものが増えました。すべてが金属でできた煙管では、羅宇部分まで装飾が施されているものもあります。
最後に、煙を吸う部分は吸い口と呼ばれ、金属でできている場合がほとんどです。煙管が日常的に使用された時代では、吸い口に装飾を施したものも多く出回っていました。
煙管の持ち方

煙管は紙巻たばこに比べると長さがあり、どのように持てば良いのか悩む人も多いでしょう。前提として現代の煙管では持ち方の決まりはなく、自分が持ちやすいと思った方法で構いません。
ただし、火皿に近い部分を持つとやけどしてしまう可能性があります。煙管を持つときはなるべく羅宇か吸い口に近い位置を選び、喫煙中に安定する持ち方を選びましょう。
持ち方に悩むときは、次の章で解説する江戸時代での煙管の持ち方を参考にしてください。
江戸時代は身分によって持ち方が違う
煙管が普及していた江戸時代では、身分によって持ち方が異なりました。観劇やドラマを見る際もその点に注意すると、より楽しめるでしょう。また、自分なりの煙管の持ち方が決まるまでは、真似してみることがおすすめです。
・武士の持ち方
・町人の持ち方
・農民の持ち方
・博徒の持ち方
・花魁や遊女の持ち方
武士の持ち方

武士が煙管を持つときは羅宇を下から持ち、親指と中指で支えて、人差し指を添えるという説があります。煙管の中心に近い部分を持つため、吸い口の近くを持つよりは傾きにくい持ち方です。
また、煙管を持つ姿が男性的でスタイリッシュに見える点も、武士の持ち方の特徴です。しかし、支える指が親指と中指のため、慣れないと持ちにくいという意見もあります。
実際に試してみて持ちにくければ、持つ位置を調整してみたり、人差し指の位置を変えてみたりして、自分に合った持ち方を見つけてみてください。その際は、持つ部分が熱くなる雁首には近づきすぎないよう注意しましょう。
町人の持ち方

町人が煙管を持つときは、筆を持つように羅宇や吸い口の部分を支えるという説があります。普段ペンを持つときに近い感覚で煙管を持つことができるため、慣れない人にも持ちやすい方法です。
しかし、町人の持ち方はそのまま喫煙するには持ちにくいという意見もあります。煙管を吸うときは、本体を少し傾けると吸いやすくなるでしょう。
ただし、傾けるときは角度に気をつけないと火皿からたばこの葉が落ちてしまいます。慣れるまでには火皿にいれたたばこの葉が落ちないよう、煙管の角度を確認しながら喫煙ください。
農民の持ち方

農民が煙管を吸うときの持ち方は、武士の持ち方で持つ部分が雁首へ移動したといわれています。煙管の雁首を下から親指と中指で支え、人差し指を添える形です。指を置く場所は火皿のすぐ近くになります。
しかし、農民の持ち方は燃焼部分のすぐ近くを持つため、火がついている状態ではかなり熱さを感じるでしょう。熱さを感じているのに持ち続ければ、やけどをしてしまう可能性もあります。
煙管を吸って火傷してしまえば、せっかくの喫煙時間がリラックスできないものになりかねません。無理に持つ場所を雁首にするのではなく、羅宇や吸い口など熱さを感じにくい場所にしましょう。
博徒の持ち方

博徒とは、賭博で生計を立てている人をさします。博徒が煙管を持つときは、町人と同じように羅宇や吸い口の部分を支えるという説があります。町人と違う点は、煙管を持つ位置がより吸い口に近づくという点です。
博徒の持ち方は持つ場所が吸い口に近くなる分、雁首側の重さを感じて傾きやすくなります。煙管初心者が持つと、持ちにくく感じてしまう可能性もあるかもしれません。
博徒の持ち方を試す場合は、町人の持ち方と同じように煙管本体の角度に注意すると、たばこの葉が火皿から落下してしまうというトラブルが防ぐことができます。安定した持ち方にするには、何度か試してみて慣れる必要もあるでしょう。
花魁や遊女の持ち方

花魁や遊女の煙管の持ち方は、下から人差し指で羅宇を支えて、親指と中指で持つことが多いという説があります。花魁や遊女は客引きをするときに煙管を持っていたといわれており、なかでも他の身分の人よりも長い煙管が使われていたと浮世絵には残されているのです。
花魁の使用する煙管は短くても50cm、長ければ1m程度の長さがあったといわれています。煙管が長くても人差し指で支えることで、雁首側が下を向きにくく、喫煙がしやすかったと考えられているのです。
花魁や遊女の煙管が長いことには理由があり、ひとつは衣装を焦がさないようにするため、もうひとつは格子の内側から客を誘うためだったといわれています。
まとめ
この記事では、煙管の構造や身分によって異なる持ち方について解説しました。現代では煙管の持ち方に決まりはないため、自分が吸いやすい方法を選んで問題ありません。
一方で、江戸時代の持ち方を真似してみるのも楽しみのひとつになります。さまざまな持ち方を試してみて、自分なりの方法を見つけてみてはいかがでしょうか。
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紙巻がいい。加熱式がいい。どっちもいい。
今の時代にあった喫煙ライフを。
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(本記事は2024年11月時点の情報に基づき記載をしております)
