ライターの捨て方とガス抜き方法を解説。コンビニに捨てるのは避けるべき？

使い終わったライター、どう処分していますか？何気なく家庭ごみと一緒に出しているその行為が、ごみ収集車や処理施設での火災につながるおそれがあります。この記事では、そうしたリスクを避けるため、ライターの種類別に多くの方が実践しやすいガス抜き・オイル抜きの方法から、自治体ごとの分別ルールの確認ポイントまでを解説します。本記事は一般的な情報提供です。最終的な分別・排出方法は必ずお住まいの自治体の指示に従ってください。

ライターを捨てる前に知っておくべきこと

ライターの種類と処分時の注意点

使い捨てライターは本体とガスが一体化しており、一般的に一度使い切れば補充できません。チャッカマンなど棒状の着火具も同じ分類です。注入式ガスライターは専用ボンベでガスを補充でき、オイルライターはタンクにオイルを注ぎ足して繰り返し使えます。

素材や構造が違えば、処分の際に取り扱う注意点も変わります。自治体により扱いが異なるため、金属製ライターを不燃ごみ、プラスチック製ライターを可燃ごみに分けるところもあれば、ライターそのものを危険（有害）ごみとして扱う自治体もあります。富士市の公式サイトでも、使い捨てライターは有害ごみとして分別を徹底するよう呼び掛けています。

処分前の準備：ガス抜き・オイル抜きが必要とされる理由

ライター内部に残った可燃性ガスやオイルは、ごみ収集車の圧縮や衝撃で発火するおそれがあります。実際に、東京都消防庁の統計では、令和5年（2023年）のごみ収集車火災41件のうち「ライター」が発火源の事例が3件報告されています。また製品評価技術基盤機構（NITE）も、ライター事故への注意喚起（2010年）や、可燃性ガス製品の残ガスが収集車内で発火し得る点への注意喚起を公表しています。こうした事故を避けるため、捨てる前にガスやオイルをできるだけ完全に抜くことが推奨されます。

ガス抜きやオイル抜きは必ず屋外で、風通しの良い平らな地面で行いましょう。周囲に火種となるものを置かず、静電気の発生を抑え、火花の恐れがある行為や環境を避けて作業してください。火花が出る電動工具や金属同士の打撃を避け、作業は明るい時間帯に行うと安全です。

避けましょう：コンビニや公共施設のゴミ箱に捨てるのは危険

「ライター 捨て方 コンビニ」という検索が多いのは、手軽に処分したいというニーズの裏返しです。多くの店舗では分別管理のため店内設置・管理がとられており、家庭ごみや危険物の持ち込みは店舗ルール上断られる場合が多いのが実情です。いずれにせよ、ライター等の危険な物の投棄は火災リスクの観点から避けるべきです。適用や判断は地域・状況で異なるため、詳細は所管窓口に確認してください。

ライターの種類別！安全なガス抜き・オイル抜き方法

使い捨てライター・チャッカマンのガス抜き手順

1.周囲に火の気がない、風通しの良い屋外のコンクリート面などに移動する。

2.着火レバーは指または手袋で押し下げて放出する。環境省の周知資料では、輪ゴムやテープでレバーを固定し、半日〜1日屋外で放置する方法も例示されています。いずれの方法でも転倒防止・周囲の火気厳禁・人の目が届く環境の確保など安全管理を徹底してください。

3.「シュー」という音が止むまで放出し、止んだ後も換気の良い場所でしばらく待つ。

4.念のため着火操作を行い、火がつかないことを確認する。

5.その後も風通しの良い場所にしばらく置いて、残留ガスがないことを確認する。

例えば東京都大田区では、透明の別袋に入れて不燃ごみの日に出すよう案内しています。お住まいの自治体の指示に従いましょう。

注入式ガスライター・ガスボンベのガス抜き手順

・ライター本体のガス注入口バルブは、金属以外の棒（プラスチック等）またはメーカー推奨工具で軽く押し、ガスを放出する。

・ガスボンベは屋外で先端を下にしてコンクリートなどの硬い地面に軽く押し付け、音が消えるまで放出する。

・補足：放出作業時はキャップを外し、屋外の無風・火気なし環境で少しずつ放出します。穴あけ等の危険行為は厳禁です。

・放出後は、風通しの良い場所でしばらく乾燥させる。

なお、埼玉県鴻巣市のウェブサイトでは、残量が多いまま廃棄すると収集車両火災につながる危険が報告されています。

オイルライターのオイル抜きと処分方法

・ライター本体から、オイルが染み込んでいる中綿（コットン）が入ったインナーケースを引き抜く。

・中綿をピンセットなどで取り出し、新聞紙や古い布に広げてオイルを十分に吸わせる。

・オイルを吸わせた紙や布、中綿は完全に乾燥させてから可燃ごみとして処分する。杉並区では「油の付着した紙＝可燃ごみ」と明記。地域差があるため最終判断は自治体ルールを優先し、高温期は自然発火に注意してください。

・金属製の本体やインナーケースは不燃ごみとして処分する。

難しい場合はリペアショップや自治体の相談窓口、不用品回収業者に相談すると安全です。

ガス抜き・オイル抜き作業時の注意点と不安な場合の相談先

・作業前に必ず自治体の窓口やサイトで分別方法を確認する。
・数本まとめて行わず、一本ずつガスを抜く。
・火花が出る作業（電動工具、金属の打撃など）を避ける。
・不安がある場合は自治体の清掃事務所や環境課に問い合わせる。

ライターの正しい処分方法と費用

自治体での処分方法と分別ルール

・基本方針：自治体によって分類名や出し方が異なるため、最終的には自治体の指示を優先してください。

・使い捨てライター：ガス抜き後、危険（有害）ごみまたは不燃ごみの指定日に、透明袋など指定の方法で排出する指示例が多い。

・注入式ガスライター／ガスボンベ：ガス完全放出後に危険（有害）ごみ扱いの指示例が多い。キャップ装着など追加指定がある場合あり。

・オイルライター：オイル・中綿は可燃、金属本体は不燃とする指示例がある。

・注意表示：注意ラベルの貼付や中身の有無の明記を求める自治体もある。

不用品回収業者に依頼するメリットと選び方

・大量のライターや他の不用品をまとめて処分でき、手間を削減できる。
・ガス抜き作業が不要な場合もあり、安全に処分を任せられる。
・業者選定の注意：自治体の「一般廃棄物収集運搬業」許可を必ず確認。料金や見積条件は事前に確認。地域・数量・品目で大きく変動するため一律相場の提示は困難です。具体額は必ず事前見積りで確認してください。

その他の処分方法

・ブランド物のオイルライター：状態によっては買取対象になる場合がある。

・ガスボンベの譲渡：知人・キャンプ仲間等に譲る場合は、キャップ装着・立てて保管・直射日光回避など安全管理を徹底する。

まとめ

ライター内部の可燃物を残したまま捨てると、収集車両火災やごみ処理施設での爆発につながるおそれがあります。事前のガス抜き・オイル抜きを徹底し、自治体のルールを確認して正しく分別しましょう。少しの手間を惜しまず適切に処分することが、私たちの家庭と地域社会の安全を守ることにつながります。

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（本記事は2025年9月時点の情報に基づき記載しています）