ライターが水没したら危険?爆発や発火のリスクと正しい対処法・処分方法
- ・ライター水没の知られざる危険性
- ・水没したライターがなぜ危険なのか
- ・爆発や発火のリスクは?具体的な影響を解説
- ・水没時の検証結果から見るライターの弱点
- ・水没後のライター、どうする?正しい対処法と注意点
- ・水没直後に絶対やってはいけないこと
- ・安全を確保するための初期対応
- ・水没したライターを使うのはおすすめできない
- ・危険を避ける!水没ライターの安全な処分方法
- ・ガス抜きは必須!正しいガス抜きの手順
- ・種類別!使い捨てライターとオイルライターの処分方法
- ・処分時のNG行動と注意点
- ・ライター水没に関するよくある質問
- ・水没後、どれくらいの期間で危険になる?
- ・水没したライターを誤って使用してしまったら?
- ・水没を防ぐための対策はある?
- ・ 「たばこの2個持ち」は、新しいスタンダードへ
【ライターが水没したら危険?爆発や発火のリスクと正しい対処法・処分方法】
水没したライターは、見た目ではわからない内部の腐食や損傷により、発火やガス漏れ、さらには破裂といった深刻な事故を引き起こす「小さな危険物」に変わり果てている可能性があります。この記事では、水没ライターに潜むリスクのメカニズムから、万が一の際の正しい対処法、そして安全な処分方法までを徹底解説します。
ライター水没の知られざる危険性

水に濡れたライターを「乾かせば大丈夫」と考えるのは非常に危険です。見た目は元通りでも、内部では目に見えない変化が起きており、それが発火や破裂といった重大な事故を引き起こす可能性があります。ここでは、水没したライターがなぜ危険なのか、そのメカニズムと具体的なリスクについて詳しく解説します。
水没したライターがなぜ危険なのか
ライターが水没すると、その内部構造に深刻なダメージを与えます。ライターは主に、燃料を貯蔵するタンク、着火させるための機構、そしてガスを噴出させるノズルから構成されていますが、水がこれらの部品に侵入することで様々な問題を引き起こします。
まず、最も大きな問題は金属部品の腐食です。ライターの着火機構には、ヤスリやバネ、レバーといった多くの金属部品が使われています。これらが水に濡れると、特に水道水や雨水に含まれる不純物、海水に含まれる塩分によって錆が発生します。錆びた部品は正常に動作しなくなり、以下のような不具合を引き起こす可能性があります。
・着火不良:ヤスリが錆びて火花が飛ばなくなる。
・操作レバーの固着:レバーが動かなくなり、ガスが出せなくなる、あるいは逆にガスが止まらなくなる。
・内部部品の破損:腐食によって脆くなった部品が、操作時に破損する。
特に危険なのは、ガスを制御する部品が腐食し、ガス漏れが発生するケースです。漏れ出た可燃性ガスが、静電気や他の火気によって引火すれば、火災につながる恐れがあります。
また、近年増えている電子ライターの場合、危険性はさらに高まります。内部の電子回路やバッテリーが水に濡れると、回路がショート(短絡)を起こす可能性があります。ショートは、予期せぬタイミングでの誤作動や異常な発熱を引き起こし、最悪の場合はバッテリーが破損して発火する原因となります。スマートフォンを水没させた場合と同様に、電子機器にとって水は天敵なのです。
このように、水没はライターの機械的な部分と電気的な部分の両方にダメージを与え、見た目では判断できない危険な状態を作り出してしまうのです。
爆発や発火のリスクは?具体的な影響を解説
水没したライターが引き起こす最も深刻な事態は、爆発(破裂)や発火です。これらの現象は、いくつかの要因が重なることで発生リスクが格段に高まります。
最大の原因は、前述した腐食による「ガス漏れ」です。ライター内部のパッキンやバルブが水の侵入によって劣化・腐食すると、密閉性が失われ、燃料である液化ブタンガスが徐々に漏れ出します。この漏れたガスが空気と混ざり合い、一定の濃度に達した状態で静電気やコンセントの火花、他の火気などに触れると、一気に燃え上がり火災を引き起こします。
さらに危険なのが、高温環境下での破裂リスクです。特に夏場の車内や直射日光が当たる場所に水没したライターを放置すると、内部の温度が急激に上昇します。夏場の車内は短時間で70℃以上に達することもあり、ライターの燃料である液化ガスは温度が上がると気化して体積が膨張し、タンク内の圧力が異常に高まります。通常の状態であれば耐えられる圧力でも、水没によって腐食したり、目に見えない傷がついたりしたライターの容器は強度が低下しており、この内圧の上昇に耐えきれずに破裂する可能性があります。
ライターが手元で破裂すれば、火傷や破片による怪我は避けられません。また、ガス漏れに気づかずに密閉された空間で使用しようとすれば、爆発的な着火により顔や手に深刻な火傷を負う危険性があります。水没ライターは、単なる「使えなくなった道具」ではなく、「潜在的な危険物」として認識することが重要です。
水没時の検証結果から見るライターの弱点
ライターの安全性は、経済産業省が定める消費生活用製品安全法に基づいた技術基準に適合したことを示す「PSCマーク」によって担保されています。このマークが付いたライターは、落下試験や耐熱試験など、国が定めた厳格な安全基準をクリアしていますが、これらの試験はあくまで「通常の使用」を想定したものであり、「水没」という状況は想定されていません。
水没がライターに与える影響を具体的に見てみましょう。
1.着火機構の無力化:着火の要である圧電素子やヤスリは、水分に非常に弱い部品です。圧電素子は水に濡れると正常に電圧を発生できなくなり、火花が飛ばなくなります。ヤスリは前述の通り、錆びることでフリント(発火石)を削れなくなり、着火不能に陥ります。
2.バルブ機構の劣化:ガスを噴出させるノズルやその根元にあるバルブは、精密な部品で構成されています。ここに水や、水に含まれる微細なゴミが侵入すると、バルブが詰まったり、パッキンが劣化したりして、ガスの流量が不安定になる、あるいはガスが止まらなくなるなどの不具合が発生します。不意に大きな炎が上がったり、消火できなくなったりする危険性は、この部分の劣化に起因することが多いです。
3.本体(タンク)の強度低下:使い捨てライターの多くはプラスチック製ですが、水没と乾燥を繰り返したり、紫外線にさらされたりすることで、プラスチック素材が劣化(硬化・脆化)することがあります。内部で腐食した金属部品が膨張してプラスチック部分に圧力をかけることも考えられます。これにより、通常では考えられないようなわずかな衝撃や内圧の上昇で、タンクに亀裂が入ったり破裂したりするリスクが高まります。
これらの弱点は、水没というアクシデントがいかにライターの安全性を根底から覆すかを示しています。一度でも水に浸かってしまったライターは、安全基準を満たした製品であっても、その安全性が保証されなくなった「未知の危険物」へと変貌してしまうのです。
水没後のライター、どうする?正しい対処法と注意点

もしライターを水没させてしまったら、どのように対処すればよいのでしょうか。パニックにならず、正しい手順を踏むことが、二次災害を防ぐ上で非常に重要です。誤った対応は、かえって危険な状況を招きかねません。ここでは、水没直後のNG行動から安全確保のための初期対応、そして乾燥後の取り扱いまでを解説します。
水没直後に絶対やってはいけないこと
ライターが水没した際、良かれと思って取った行動が、実は危険を増大させることがあります。以下の行動は絶対に避けてください。
・火をつけようとする
最も危険な行動です。内部の機構が損傷している可能性があり、不完全燃焼による異常な炎の発生や、最悪の場合、破裂する恐れがあります。絶対に再使用を試みないでください。
・強く振って水を切ろうとする
内部に入り込んだ水がさらに奥まで浸透したり、衝撃で破損した部品が外れたりする可能性があります。内部の状態を悪化させるだけなのでやめましょう。
・分解しようとする
構造を理解せず分解すると、内部の高圧ガスが噴出したり、部品が飛び散って怪我をしたりする危険があります。特に専門知識のない人が分解するのは非常に危険です。
・ドライヤーなどで急激に加熱・乾燥させる
熱によって内部のガスが膨張し、圧力が急上昇して破裂するリスクがあります。また、プラスチック部分が変形し、さらなる破損やガス漏れの原因にもなります。
これらの行動は、水没によって不安定になったライターに余計な刺激を与えることになり、事故の引き金となり得ます。
安全を確保するための初期対応
水没したライターを発見したら、慌てずに以下の手順で安全を確保してください。
1.安全な場所へ移動させる:まず、ライターを火気のない、風通しの良い屋外などの安全な場所へ移動させます。キッチンやストーブの近くなど、引火の可能性がある場所からは遠ざけましょう。
2.ビニール袋などに入れる:万が一のガス漏れに備え、ビニール袋に入れて口を軽く縛っておくと、周囲への影響を抑えられます。ただし、ガスが溜まらないよう、完全に密閉はしないでください。
3.危険物であることを明記する:袋に「水濡れライター 危険」「さわるな」などとマジックで書いておきましょう。家族など、事情を知らない人が誤って使用してしまうのを防ぐためです。
4.子どもやペットの手の届かない場所に保管する:処分方法が決まるまでは、子どもやペットが触れない安全な場所に保管してください。
重要なのは、水没したライターを「すぐに処分すべき危険物」として扱うことです。初期対応を誤らなければ、事故のリスクを大幅に減らすことができます。
水没したライターを使うのはおすすめできない
「天日干しして完全に乾かせば、また使えるのでは?」と思うかもしれません。しかし、たとえ表面が乾いていても、水没したライターを再使用するのは推奨できません。
その理由は、内部の見えない部分で問題が進行している可能性があるからです。
・内部に残る水分
ライターの内部は複雑な構造をしており、一度入り込んだ水分は完全には抜けきらないことがあります。特に部品の隙間や電子回路の基盤などに残った水分が、後から腐食やショートを引き起こす原因となります。
・目に見えない腐食の進行
水に濡れた瞬間から、金属部品の錆は始まります。乾燥させたとしても、すでに発生した錆が部品の動きを妨げたり、強度を低下させたりしています。この状態で使用すると、操作時に部品が破損し、ガス漏れなどの重大な不具合につながる恐れがあります。
・安全性の保証がない
一度水没したライターは、メーカーが保証する安全性(PSCマークが示す基準)を完全に失っています。どのような不具合がいつ発生するか予測できない、非常に不安定な状態にあるのです。
ライターが水没してしまったときは、次章で説明する正しい方法で処分するようにしましょう。
危険を避ける!水没ライターの安全な処分方法

水没したライターをそのままゴミ箱に捨ててしまうと、ゴミ収集車や処理施設で火災や爆発事故を引き起こす原因となり、大変危険です。実際に、全国の自治体や消防機関からは、不適切に廃棄されたライターが原因でごみ収集車や処理施設で火災が発生した事例が数多く報告されています。安全に処分するためには、必ずガス抜きを行い、お住まいの自治体のルールに従う必要があります。
ガス抜きは必須!正しいガス抜きの手順
ライターを処分する前のガス抜きは、事故を防ぐために最も重要な工程です。水没して着火しないライターでも、タンク内には可燃性のガスが残っています。以下の手順を守り、安全にガスを抜いてください。
【準備するもの】
・輪ゴム
・幅の広い粘着テープ(ガムテープなど)
・軍手(念のため)
【ガス抜きの場所】
・必ず屋外で、風通しが良く、火気のない場所を選んでください。
・ベランダや庭、公園の広い場所などが適しています。室内や車内では絶対に行わないでください。
【手順】
1.操作レバーを押し下げる 着火レバーを指で押し下げます。「シュー」というガスが噴出する音が聞こえることを確認してください。水没ライターの場合、砂や泥が詰まってレバーが固いことがあるので、注意して操作します。
2.レバーを固定する レバーを押し下げた状態のまま、輪ゴムや粘着テープを使ってレバーを本体に巻きつけ、固定します。指で押し続ける必要はありません。
3.ガスが抜けるまで放置する 「シュー」という音がしなくなるまで、そのまま放置します。ガスの残量にもよりますが、数時間かかることもあります。念のため、音が聞こえなくなってからさらに半日〜1日程度置いておくと確実です。
4.ガスが完全に抜けたか確認する レバーを固定していたテープなどを外し、最後にもう一度、着火操作をしてみてください。炎も火花も出ず、ガス噴出音もしなければ、ガス抜きは完了です。
水没によって着火機構が作動しない場合でも、ガス噴出音が聞こえるかどうかで判断できます。音が全く聞こえない場合は、ノズルが詰まっている可能性も考えられますが、安全のためガスは残っているものとして慎重に取り扱ってください。
種類別!使い捨てライターとオイルライターの処分方法
ガス抜きが完了したら、ライターの種類とお住まいの自治体のルールに従って処分します。ライターの分別方法は地域によって大きく異なるため、必ず確認が必要です。
【使い捨てライター・注入式ガスライター】
ガス抜きを完了させた後、自治体の指示に従ってゴミに出します。分別区分は自治体によって様々です。以下に例を挙げます。
・不燃ごみ
・有害ごみ・危険ごみ
・金属ごみ
多くの自治体では、他のゴミとは別の袋に入れたり、「キケン」と表示したりするよう求めています。
【オイルライター(ZIPPOなど)】
・オイルライターは構造が異なります。まず、ケースから中身のインサイドユニットを取り出します。
・インサイドユニット内部の綿(コットン)や芯(ウィック)に染み込んだオイルを完全に蒸発させる必要があります。風通しの良い安全な場所で数日間放置し、完全に乾燥させます。
・乾燥後、金属部分(ケース、インサイドユニット)は「金属ごみ」や「不燃ごみ」として処分するのが一般的です。これも自治体のルールを必ず確認してください。
【電子ライター】
・充電式の電子ライターにはリチウムイオン電池が内蔵されています。これは通常のゴミとして捨てることができません。
・小型家電リサイクル法の対象となる場合や、電池部分を取り外してリサイクル協力店の回収ボックスに入れる必要があります。分解が難しい場合は、自治体の清掃事務所や担当部署に問い合わせて指示を仰いでください。
処分時のNG行動と注意点
安全に処分するため、以下の行動は絶対に避けてください。
・ガスを抜かずに捨てる
前述の通り、ゴミ収集車や処理施設での火災・爆発の最大の原因です。絶対にやめてください。
・分解して捨てる
無理に分解すると、残ったガスが噴出したり、部品で怪我をしたりする危険があります。ガス抜き以外の分解は不要です。
・ハンマーなどで破壊する
衝撃で破裂し、非常に危険です。
・大量のライターを一度に処分する
ガス抜きをする際は、一度に大量に行うと空気中のガス濃度が高まり危険です。数本ずつ、時間を空けて作業してください。
・不法投棄
川や山、道路などに捨てることは法律で禁止されており、環境汚染にもつながります。
ライターの処分は、少しの手間をかけることで大きな事故を防ぐことができます。自分自身と、ゴミ収集に携わる作業員の方々の安全を守るためにも、責任を持って正しく処分しましょう。
ライター水没に関するよくある質問

ここまで水没ライターの危険性や対処法について解説してきましたが、まだ疑問や不安が残る方もいるかもしれません。このセクションでは、ライターの水没に関するよくある質問にQ&A形式でお答えし、読者の不安を解消します。
水没後、どれくらいの期間で危険になる?
「水没してから、どれくらい時間が経つと危険なのか」という疑問は多くの方が抱くでしょう。結論から言うと、危険性は水没した直後から始まります。
明確に「何時間後から危険」という基準はありませんが、内部の腐食は水に触れた瞬間から進行します。特に、以下のような要因で危険性が高まるスピードは変わります。
・水の種類
海水のような塩分を含む水は、真水に比べて金属の腐食を著しく早めます。川や海に落とした場合は特に注意が必要です。
・温度と湿度
高温多湿の環境下では化学反応が促進されるため、腐食の進行が早まります。夏場や湿気の多い場所に放置すると、数日で内部がかなり錆びてしまうこともあります。
水没後は「いつ危険な状態になってもおかしくない」と考えるべきです。時間が経てば乾いて安全になるわけではなく、むしろ時間の経過とともに腐食が進み、リスクは増大すると認識してください。発見次第、速やかに対処・処分することが重要です。
水没したライターを誤って使用してしまったら?
万が一、水没したことに気づかず、あるいは「大丈夫だろう」と思って使ってしまった場合はどうすればよいでしょうか。まずは落ち着いて状況を確認し、冷静に行動することが大切です。
・異常な燃え方をした場合
もし火をつけた際に、炎が異常に大きくなったり、火が消えなくなったりした場合は、すぐにライターを地面などの不燃性の場所に置いてください。可能であれば、水をかける、濡れた布をかぶせるなどして消火します。ただし、身の危険を感じる場合は無理せず、その場から離れてください。
・体に異変があった場合
破裂して火傷を負ったり、破片で怪我をしたりした場合は、すぐに流水で冷やすなどの応急処置を行い、速やかに医療機関(皮膚科や外科)を受診してください。また、不完全燃焼によって発生した異常なガスを吸い込んで気分が悪くなった場合も、医師に相談しましょう。
幸い何も起こらなかったとしても、そのライターは非常に危険な状態です。二度と使用せず、すぐに安全な方法で処分してください。
水没を防ぐための対策はある?
そもそもライターを水没させないための予防策も重要です。日頃から少し気をつけるだけで、事故のリスクを大幅に減らすことができます。
・保管場所を決める
ライターをズボンのポケットに入れっぱなしにしないようにしましょう。特に洗濯前には必ずポケットの中を確認する習慣をつけてください。家の鍵などと一緒に、決まった場所に置くのが効果的です。
・水辺での活動では防水対策を
釣りやキャンプ、海水浴など、水に濡れる可能性のある場所へ行く際は、防水仕様のポーチや密閉できるビニール袋、小型の防水ケースなどに入れて持ち運ぶことをお勧めします。これにより、突然の雨や水しぶき、万が一の落下からもライターを守ることができます。
・湿気の多い場所に放置しない
浴室や洗面所、キッチンのシンク周りなど、湿気が多い場所にライターを長期間放置するのも避けましょう。直接水に浸からなくても、湿気によって内部の金属部品が錆びる原因となります。
日頃からのこうした小さな注意が、結果的に大きな事故を防ぐことにつながります。
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(本記事は2025年9月時点の情報に基づき記載しています)

