ライターの構造はどうなっている?着火方式の違いごとに特徴を解説
ふだん何気なく使っているライターですが、構造や着火方法によってそれぞれどのような特徴や違いがあるのでしょうか。また、ライターのフリントとは何か、フリントが消耗してホイールが回らなくなったときの対処法や交換方法について解説していきます。
オイルライターの基本構造
ライターは、火花を発火させる発火装置、そしてその火花を受けて燃える燃料から構成されます。そんなライターは、着火方式に応じて「オイルライター」「電子ライター」「内燃式(ターボ式)ライター」の3種類に分けることができます。ここではまず、オイルライターの構造を見てみましょう。
オイルライターが着火するメカニズム
オイルライターとは、フリント(発火石)で着火することができるライターのことをいいます。オイルライターは、フリントをハンマーで叩いたり、回転式のヤスリとこすり合わせることで、火花を発生させ、燃料に着火させることができます。
なお、オイルライターは購入時にオイルは入っていません。オイルライターの使用時は、別売りのオイルを使用するようにしましょう。
オイルを注入する際はまず、ライター本体のキャップを開き、風穴が開いている防風ガードを指でつかんでからインサイド・ユニットをゆっくりと引き抜きます。その後、インサイド・ユニットの底部にある、フェルト・パッドをめくり、オイルを注入します。オイルを注入したら、カム(バネ)が下向きにさがっていることを確認してから、インサイド・ユニットをケース内に戻します。
火をつける際は、近くに燃えやすいものがないかを確認してから、フリント・ホイールを親指で回転させ着火します。火がついている状態でキャップを閉め、火を消します。かならず消火したかを確認するようにしましょう。
このフリントとヤスリは、火打ち金と火打ち石をつかう「火起こし」の手法に似ています。金属で石をこすることで火花を発火させる古来の方法が、オイルライターにもとり入れられています。
フリントの交換時期と方法
そしてオイルライターは、オイルの注入やフリント、芯の交換など、正しくお手入れをすることで永く使用することができます。
もしフリントホイールが回らない場合、フリント(発火石)の消耗が考えられます。発火石であるフリントは消耗品のため、オイルライターを永く使用するためには、定期的な交換が必要です。急にホイールが回らなくなったり、使用しているライターの着火率が悪くなったりしてきたと感じたら、フリントの交換の合図かもしれません。
フリントの交換方法についてはまず、挿入口のネジを外します。その後、薄くなったフリントを取り出してから新しいフリントを入れましょう。また、フリントを交換する際はメンテナンスをかねて、ヤスリの目や火口ノズルに溜まったフリントの粉を取り払うこともおすすめします。
なお、フリントの挿入口はライターによって、さまざまな位置に設置されています。そのため、フリントを交換する際は、自分のライターの挿入口を交換前に確認しておくようにしましょう。
そしてフリントは、さまざまなタイプのものが発売されています。これは、ライターによってヤスリが異なり、それらに合わせて硬さや太さ、長さを微調整しているため。
そのため、無理に形状が合わないフリントを使用した場合、ライターの故障にもつながる可能性があります。専売品がある場合はそれを使用し、指定ない場合には販売店およびメーカーへ相談することをおすすめします。
電子式ライターの基本構造
ここまで、オイルライターの構造について説明しました。それでは、電子式ライターの基本構造はいったいどのようになっているのでしょうか。
電子式ライターとは
電子式ライターとは、衝撃を与えることで高電圧を発生する「圧電素子」用いて、火花放電で燃料のガスに着火させる構造をもったライターのことを指します。電子式ライターの場合、燃料はガスのみとなっています。
なお、電子式ライターは注入式と使いきりの2種類から選ぶことができます。そのため、注入式の電子式ライターであれば、燃料を補給するだけで長期間使用することができます。
電子式ライターが発火するメカニズム
電子式ライターはまず、着火操作部を押すことで、ハンマーが「圧電素子」に勢いよくぶつかり、電気エネルギーが発生します。その後、電極板と座金へ電気エネルギーが伝わっていきます。 電極板へと伝わった電気エネルギーは放電電極へ、そして座金に伝わった電気エネルギーは、ガステコから火口ノズルへと繋がっていきます。放電電極からアースの役割を果たす火口ノズルの方向へと放電されます。電子ライターの火口ノズルの先端は、スプリング状になっています。その隙間から出るガスと周囲の空気が混ざり合い、そこへ放電された火花が接触することで着火します。
たとえば、水晶に金属を当てることで電気が発生する。このような性質をもった物質を使用する「圧電効果」が、電子式ライターにも用いられているのです。
内燃式(ターボ式)ライターの基本構造
ここまでオイルライター、電子式ライターの基本構造についてご紹介してきました。では、内燃式(ターボ式)ライターの構造はどのような構造となっているのでしょうか。
内燃式(ターボ式)ライターとは
内燃式(ターボ式)ライターとは、着火前にライターの内部でガスと空気を混合させ、その気体を燃焼筒内でいちど完全燃焼させてから、生み出された炎を外に排出するライターのことを指します。
内燃式(ターボ式)ライターは、電子ライターと同様にガス燃料限定のライターで、注入式と使い切りの2種類があります。
内燃式(ターボ式)ライターが発火するメカニズム
内燃式(ターボ式)ライターが発火するメカニズムは、電子式ライターと基本的に同じです。
内燃式(ターボ式)ライターはまず、 着火操作部を押します。すると、タンクノズルから噴出したガスが整流器を通過していきます。整流器の噴出口は、非常に小さいため、この部分を通過させることで、ガス噴出のスピードを上げることができます。
高速のガスが空気取り入れ口を通過すると、空気取り入れ口が負圧になります。ここへ空気が流入することでガスと混ざり合い、混合ガスになります。
そして、拡散器を通過することで混合ガスがさらに混ざり合いながら、噴出のスピードを落としていきます。
混合ガスが拡散器から噴出されると、燃焼筒内に到達します。その後、圧電ユニットで発生した電気エネルギーが放電電極へ向かい、火花放電が発生します。燃焼筒内の混合ガスに火花が接触することで、ライターが着火します。
(※燃焼筒上部にある触媒線は、燃焼筒内の炎が消えてしまった場合の再着火をうながす効果、そして炎の視認をしやすくするという役割があります)
着火方法によってさまざまな違いがある
ライターの基本構造や着火するメカニズムについてご紹介しました。日ごろ何気なく使っているタイターも、着火方式によってさまざまな違いがあることがお分りいただけたかと思います。それぞれの着火方式には、一長一短があります。どのライターを選んでよいかわからない場合、この記事がすこしでも参考になれば幸いです。