パイプの奥深き世界。どのような種類や違いがあるの?

パイプは古くからあるたばこを吸う道具のひとつですが、どのようなものかを知っている方は意外と少ないかもしれません。この記事では、そんなパイプの発祥や種類について解説します。

パイプって、どんなもの?

まず、パイプとはどのようなたばこなのでしょうか。ここでは、パイプの発祥や構造など、基本的な情報について解説していきます。

パイプの発祥

パイプとは、刻んだたばこを詰めて吸う喫煙具の一種のこと。片方に乾燥などの加工をしたたばこの葉を詰めて火をつけ、もう一方の端から吸い込んで使用します。

パイプが使用され始めた正確な年代はわかっていませんが、メキシコや北米の先住民の遺跡から土製パイプが出土しており、古くからパイプ喫煙が行われてだろうことがわかっています。

16世紀後半にはイギリスでクレーパイプ、18 世紀にはドイツを中心に木製・陶磁器製のパイプが広まっていきました。現在のパイプの主流であるブライヤーパイプは19世紀に誕生したとされています。

パイプの構造

パイプの構造を大きく分けると、煙草を燃やす部分と、煙を通す部分のふたつに分けられます。

ブライヤー部分にたばこを燃焼させるボウルがあり、ボウルの内部はチャンバーと呼ばれます。ボウルから伸びている軸はシャンクと呼ばれ、たばこの煙はシャンクを通って、マウスピースへと伝わっていきます。

シャンクの端には、エボナイトとの接合部になるダボ穴と、ブライヤーとエボナイト側の接合部であるダボがあります。

そしてシャンクの先には、吸い口となるマウスピースがあります。マウスピースは通常、シャンクと切り離せる構造になっています。また、マウスピースの先端に歯止めのリップもしくはビットがあります。

リップは、パイプを歯で咥えるために歯に引っかかる形状をしています。ビットはマウスピースの咥える側の1/3ほどの長さをしており、歯と唇が触れるこの部分の薄さは、咥えた際の快適さの指標となります。

パイプには、どのような種類がある?

そんなパイプには、どのような種類のものがあるのでしょうか。ここでは、時代の変化とともに誕生したさまざまな種類のパイプについてご紹介します。

素材によるパイプの種類の違い

パイプの素材にはさまざまなものがありますが、ヨーロッパで古くから使用されていたのが、粘土を素焼きにしたクレーパイプと呼ばれるもの。アメリカ大陸の先住民のあいだで使われていたものですが、16世紀の中ごろに喫煙の風習とともにヨーロッパに伝わったとされています。

これに次いで登場したのは、メアシャムパイプ。別名「パイプの女王」とも呼ばれるメアシャムパイプは、純白でやわらかく、彫刻を施しやすいという長所があります。そんなメアシャムパイプは、加工しやすい一方でこわれやすく、非常に高価であったため、今日では、19世紀に登場したブライヤー・パイプが広く普及しています。

パイプの種類や用いられる素材はさまざまです。もっとも主流とされるブライヤー・パイプは、ツツジ科の木の根部分を素材として使用し、軽くて丈夫で耐火性にすぐれています。

ブライヤー・パイプは19世紀に登場するや否や、瞬く間に広まっていきました。現在では、パイプの代名詞ともいうべき存在となっています。加えて、木の根コブという天然の素材を用いることから、同じ柄(=木目。通称グレイン)のものが2つと存在しないのも特徴のひとつと言えます。

そのほかにも海泡石を素材にしたメシャムパイプ、トウモロコシの芯を使ったコーンパイプ、粘土を素材にしたクレーパイプ、ひょうたんが素材のキャラバッシュパイプなど、さまざまな素材のパイプがあります。

形(シェイプ)によるパイプの種類の違い

パイプの形(シェイプ)はさまざまありますが、大きくは「ストレートタイプ」と「ベントタイプ」のふたつに分けられます。

ストレートタイプとは、その名のとおり、本体が真っ直ぐな形状をしたパイプのこと。そしてベントタイプは、本体の形状が曲がったタイプのパイプのことを指します。

ただし、この2種は、あくまで基本形。そのほかにも、さまざまなメーカーが独自のシェイプをつくり出してきました。そのため、好みに応じて、たくさんのバリエーションのなかからご自身の気に入った形のパイプを選ぶことができます。

パイプに使用するたばこの葉はどんなもの?

パイプに使用する葉は、種類も刻み方(カット)もさまざまなものがあります。

葉のカットは、「香味と喫味の持続」と「順調な燃焼性」が得られるように、製品ごとに考慮してつくられています。

また、カットが同じ形状のものだけの製品もあれば、異なる形状を混ぜ合わせた製品もあります。たとえば、細刻みのたばこは燃焼が速く、ブロードカットのような粗い刻みは燃焼性が良いと思われがちですが、葉の厚さや保湿の具合、オイル分の有無、製造方法の違い、パイプの構造の違い、火皿への詰め具合などによって燃焼速度は変化します。 また、葉のブレンド加減によっても違いがあります。

このように、パイプを選ぶ際にはたばこの葉についての知識も踏まえておくことが必要となってきます。

じつは奥深いパイプの世界

パイプがたばこを吸うための道具と知っていても、その発祥や種類に関して詳しく知っているという方は少ないかもしれません。けれど実は、パイプは種類や使い方次第でさまざまな世界が広がる、非常に奥深いもの。

この記事が、パイプについて知るきっかけになれば幸いです。

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