内田監督に聞く所作の裏側(中篇)
所作の裏側
Vol. 4
Special
内田監督に聞く所作の裏側(中篇)
更新日: 2020.04.01
簡単に作れるものなんてないですよ。
娯楽を作り出すというのは
大変なことなんです。
内田英治監督のバックグラウンドに、リオデジャネイロでの体験が大きく影響していることはよくわかった。映画には人間が出てくるから、当然のことながら人の描き方には監督の特徴が出る。映像としての表現がいくら暴力的だろうと、その奥にある部分を見つめて「光」を当てようとしていれば、映画は美しいものになるのだろう。
次は、脚本を書いたり演出をしたりするとき、役者に求めているものを聞いてみることにした。
「下北系、というのかな。下北沢のような若者の街での、何気ない毎日をふわっと描く映画がありますよね。目立った事件なんて起こらないけど、その中で僕らは生きている、みたいなの。僕はあまりそういうのが好きじゃない。『非・下北系』とでも言うんでしょうか」
若い人を見ていると、怒りの演技が下手だなと思うことがあるそうだ。聞いてみると、実体験としてあまり怒ったことがないのだという。だから怒る演技をしてもリアリティがなく、何かで見た、怒っている人の仕草をただ真似ているように見えてしまう。