品川監督に聞く所作の裏側(前篇)
所作の裏側
Vol. 7
Special
品川監督に聞く所作の裏側(前篇)
更新日: 2020.05.06
映画より、テレビが好きだった。
映画を撮るようになって生まれた、
さまざまな人との、ツーショット。
この品川ヒロシ監督のインタビューは、彼の兄の仕事場で行われた。僕は何度かその事務所で、映像関係の仕事をしているお兄さんと仕事の打ち合わせをしたことがある。
最近この兄と弟は一緒に仕事をすることもあるらしいから、彼らにとっては普通のことなんだろうけど、まったくタイプの違うふたりの兄弟を目の前にした僕は少し不思議な気持ちでインタビューを始めることになった。
さて、品川監督が最初に映画に興味を持ったのはいつ頃なのだろうか。
「子供の頃は、スポーツにも興味がなかったし、テレビで映画を観ていることが多かったですね。バラエティも好きだったので、テレビっ子でした。ゴールデン洋画劇場で『セーラー服と機関銃』や、ジャッキー・チェンの『スネーキーモンキー 蛇拳』などを観ていましたね。お洒落じゃなくてわかりやすいものが好きだったのかもしれません。初めて映画館で観たのは『ジョーズ』。子供が初めて観る映画としてはちょっと変わっていたかもしれないですけど。16歳くらいになってからは、一人で新宿の映画館に行くようになりました。大きな変化はレンタルビデオが普及し始めたことですね。それは当時の僕には「夢のシステム」に思えたので『仁義なき戦い』『ゴッドファーザー』『トラック野郎』など、見逃していた古い映画をたくさん観ました。」