マッチの歴史を知ろう。マッチの発明から現在に至る変遷を簡単に解説

古くからある着火具として、今なお私たちの生活に役立ってくれているマッチですが、その歴史についてご存知でしょうか?この記事では、マッチがどのようにして発明され、どのような変遷をたどってきたのかを解説していきます。

マッチが発明されたのはいつ?

マッチを日常的に使用しているという人は、現代ではあまり多くないかもしれません。マッチはいったいいつごろ発明されたのでしょうか?まずはマッチが誕生した歴史を紐解いていきましょう。

マッチの誕生

マッチが誕生したのは、19世紀のイギリスにおいてでした。1827年、イギリスの薬剤師であったジョン・ウォーカーという人物が、頭薬に「塩素酸カリウム」と「硫化アンチモン」という化学物質を使用し、摩擦によって発火する「摩擦マッチ」を考案しました。

それまで火をつけるという行為が容易でなかった時代において、こするだけで火を起こすことができるマッチの誕生は大きなセンセーションとなりました。

黄リンマッチの発明

ジョン・ウォーカー氏によって考案され販売されはじめたマッチですが、このタイプは火付きがあまり良くなかったといわれています。これを改良する形で考案されたのが「黄リンマッチ」で、1831年にフランスのシャルル・ソーリアという人物が発明しました。

これは、頭薬の部分に発火しやすい「黄リン」を用いることでより発火性を高めたもので、どこでこすっても簡単に火がつくマッチとして大人気を博しました。以後のマッチの主流は、この黄リンマッチとなっていきます。

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現代にいたるマッチの変遷

こうして世の中に普及した黄リンマッチですが、実は現在流通しているマッチのほとんどは黄リンマッチではありません。それはなぜなのでしょうか?

黄リンマッチが社会問題化

実は、一見便利なように見える黄リンマッチは、様々な問題点を含んでいました。

1つには、「発火点の低さ」が挙げられます。黄リンの発火点は非常に低く、室温程度でも発火する場合があるため、黄リンマッチは常に自然発火のリスクを抱えていました。わずかな摩擦や衝撃、ちょっとした温度上昇ですぐに発火してしまう黄燐マッチは、便利な反面危険性も高かったのです。

また、「黄リンによる健康被害」の問題もありました。黄リンは人体にとって有害な物質で、大量に吸引すると中毒を引き起こすこともあります。特にマッチの製造従事者たちの健康被害は深刻で、黄リンマッチが普及するにつれて次第に大きな社会問題と化していきました。

こうした状況を受け、黄リンマッチの製造は次第に廃れていきました。ヨーロッパ各国においては19世紀後半ごろから20世紀初頭にかけて黄リンマッチの製造自体が禁止されていくようになります。

安全マッチの発明

代わりに登場したのが「安全マッチ」です。これは、黄リンの代わりに塩素酸カリウムを頭薬に用い、マッチ箱側面のヤスリ状の部分に塗られた「側薬」と合わさることで初めて発火するタイプのマッチです。

このタイプのマッチは黄リンを使用する必要がなく、発火性も十分に高かったことから、ニュースタンダードとして世界各国で製造・販売されることになっていきます。現在普及しているマッチはほとんどがこの安全マッチで、摩擦だけで発火することはありません。

普段何気なく使っているマッチですが、その背景には知られざる先人たちの試行錯誤があったのです。

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日本のマッチの歴史は?

こうして世界中に普及するようになったマッチですが、日本におけるマッチの歴史はどのようにして始まったのでしょうか?

1875年、初の国産安全マッチが製造される

1875年、フランスに留学して安全マッチの製造方法を学んだ清水 誠という人物によって、日本のマッチ製造の歴史は始まりました。それ以前にもいくつかのマッチの試作例や製造例はありましたが、本格的で大規模なマッチ製造を行い、商業的な成功を収めたのは清水氏が初めてといわれています。

その後、日本のマッチは安価で高品質なマッチとして海外にも輸出されるようになり、20世紀にかけて最盛期を迎えることとなります。

その後、ヨーロッパでの黄リンマッチの製造禁止をうけ、1922年には日本でも黄リンマッチの製造が禁止されます。このような紆余曲折を経ながらも、現代にいたるまで日本のマッチづくりは脈々と続いています。

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マッチの歴史は奥深い

マッチをめぐる歴史を簡単に解説してきました。身近すぎてあまり意識したことのないマッチですが、実は先人たちが試行錯誤を重ねて生み出した努力の結晶なのだということがお分かりいただけたかと思います。最近ではあまり使うことのなくなったマッチですが、この記事をきっかけに興味がわいたら、ぜひ久しぶりに手に取って、その歴史に思いを馳せてみてください。

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